大阪地方裁判所 昭和36年(ワ)4129号 判決
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〔判決理由〕本件記録添付の株式会社登記簿謄本によれば、東京地方裁判所が昭和二九年三月一五日被告会社につき更生手続開始の決定をし、同決定と同時に、被告会社取締役棚橋重平を管財人に選任したこと、昭和三一年一月一一日更生計画認可決定により棚橋重平は取締役兼代表取締役となつたこと、棚橋重平は昭和三二年一月一一日取締役兼代表取締役を退任したが、同年五月二九日再び就任し、以来、重任をつづけ現在に及ぶこと、東京地方裁判所が昭和三九年七月一日被告会社につき更生手続終結の決定をしたことが明らかである。そして、本件記録によれば、原告は、昭和三六年一〇月一八日、被告会社を相手どつて本訴を提起し、被告会社代表取締役棚橋重平が応訴し、その選任した訴訟代理人が本訴を遂行してきたところ、右訴訟代理人において、昭和三九年一〇月二六日の第一三回口頭弁論期日にこの本案前の抗弁を提出したことが認められる。
ところで、本訴提起当時、被告会社は更生会社であつたから、会社の財産関係の訴である本訴については、当事者適格を有しなかつたのである。しかし、本件口頭弁論終結のときまでに、更生手続は終了し、被告会社は当事者適格を回復したのであるから、その瑕疵は補正されたと解するのが相当である。よつて、本案前の抗弁は、理由がない。(大審院昭和九年一月一六日判決民集一三巻一号三三頁、判例民事法昭和九年七頁、菊井・判例民事手続法五〇九頁参照。)(平田孝)